医師、歯科医師以外の医療を代替医療といいます。

昨年茨城県鍼灸マッサージ師会から講演の依頼がありました。

そのことがきっかけで、改めて「代替医療解剖」(新潮文庫)を読み直してみました。

そこには、ホメオパシー、カイロプラクティック、鍼灸、ハーブ療法、サプリメントなどが病気を治す効果があるかを(ダブルブラインドチェックなどを中心とした検査)検証した結果が書かれています。

結論を言うと、すべての代替医療は効果はあるが、プラシーボ効果のレベルであるという事でした。

またプラシーボ効果が最も現れるのは、条件付けと期待値であることが確認されています。

私は約6年間鹿児島県に住んでいました。

そこに馬踊りという伝統行事がありました。

どのように調教するかというと。

鉄板の上に馬を乗せて、お囃子を流すと同時に鉄板を熱するのです。

すると馬は熱いために踊るようなしぐさをするのです。

そのあとに餌を与えます。

このような条件付けを繰り返すと。

道路でお囃子が始まると踊るようになるというわけです。

「代替医療解剖」の本では、病気であればまず最初に病院に行くことを進めています。

そのあとで、多額の費用が掛からないのであればたとえ思い込みによるプラシーボ効果であっても致し方がないといったことが書かれていました。

私自身カイロプラクティックの最も効果的な手技であるモーションパルペーション&マニュピュレーション(動的触診法と手技療法)を学び、PNF(固有受容性神経筋促通手技)を応用発展させて「関節ニュートラル整体」という技術を仕事にしています。

この仕事をして44年になりますが、あくまでも関節の痛みの予防改善ができる技術として関節ニュートラル整体を進化発展してきました。

文字にあらわされた5000年の世界史を振り返ると、人類の平均寿命は30歳であったことがわかります。

我が国でも統計が始まった130年前(明治時代)は男性の平均寿命が42歳でした。

ところが現在では80歳を超えるまでになったのです。

男性の平均寿命が50歳に到達したのは昭和22年(1947年)。

65歳に到達したのは昭和36年(1961年、国民皆保険の開始)。

そこからなんと平均寿命は15年以上も伸びたのです。

まさか日本人の平均寿命がこれほどまでに延びるとは、当時のエリートの誰もが予測できなかったのです。

私自身、カロプラクティックで骨格を調整して病気が改善するとは全く思っていません。

リュウマチ性関節炎、化膿性関節炎、感染性関節炎など何々性と付く関節炎は化学療法と併用して初めて効果がある事は十分承知しています。

あくまでも患部をかばって起きる不具合に対して重症化を予防改善することができるのです。

関節ニュートラル整体のケアシステムは、単純性関節炎には絶大な効果があります。

その反面、例えば、靴下がはけないレベルの可動域になった変形性ひざ関節炎や、変形性股関節炎は人工関節置換術などの手術が必要なのです。

どんなに優れた技術をもってしても、変形性関節症の終末期の患者さんを元通りにすることはできるはずがありません。

なによりも大切なことは、すべての人がやがて変形性関節炎になると考え、重症化を予防することなのです。

全身にある約206個の骨から構成される約200個の関節の弾力を検査して調整することこそが関節の痛みの重症化を防ぐベストな選択なのです。

病気を改善することはできなくても予防することはできるのです。

このような理由で、柔整師、鍼灸師、按摩・マッサージ・指圧師(国家試験資格保有者)だけではなく、カイロプラクター、やセラピストなどすべての代替医療のセラピストの共存共栄のために、関節ニュートラル整体をマスターすることをお勧めします。