90パーセントの関節の痛みの原因は関節の弾力の異常です。

関節の弾力の異常は大別すると次の2種類です。

1、ねんざや骨折の後に固定して関節被膜が過剰に拘縮するケース。

2、外傷が原因で関節被膜が損傷し痛みやしびれがあるが日常生活に支障がなく手術の必要がないケース。

このうち従来の手技療法やリハビリテーションの技術では十分なケアーができていないのが2、のケースです。

関節被膜の不具合について、背中の痛みを例に具体的に説明します。

関節を覆う膜は大別すると次の6種類です。

1、皮膚および皮下組織。

2、筋膜。

3、活動筋と支持筋。

4、神経と血管。

5、軟骨と靭帯。

6、椎間板。

この中でどの部位に不具合があるかは、筋肉の他動運動と自動運動に加えて関節の自動運動と他動運動を駆使することで従来の方法(整形外科的テストなど)だけを用いるよりも確実に分別することができるのです。

関節ニュートラル整体は次の3種類のベースから構成されています。

1、カイロプラクティックの最も効果的な技術であるモーションパルペーション&マニュピュレーション(動的触診法と手技療法)。

2、理学療法の集大成ともいえるPNF(固有受容性神経筋促通手技)。

3、体のゆがみを整えることを目的とした筋力トレーニング。

関節が拘縮したケースはもちろん可動性が亢進したケースにおいても、手技療法(カイロプラクティック)とリハビリテーション(PNF)の応用発展形と定義できる関節ニュートラル整体だからこそ十分な対応が可能なのです。

残念ながら、オーソペディックテスト(整形外科的検査法)だけでは、関節の痛みやしびれで苦しむ患者さんを回復に導くことができるかできないかは明確にはわかりません。

しかしながら、関節の拘縮をほぼ100パーセント改善できる関節ニュートラル整体が有効でないケースは間違いなくご病気(投薬や手術でも、改善できるケースとできないケースがあります)だと確信できるので、信頼できる専門医をご紹介するのが及川治療院のルールなのです。

同じように関節が硬くなっているケースであっても、原因がある関節の痛みは関節ニュートラル整体の適応外なのです。

1、化膿性関節炎(卵巣嚢腫、子宮筋腫、など)

2、感染性関節炎(細菌感染、ウイルス感染)など。

3リュウマチ性関節炎など。

このように何々性というような接頭語がつく関節炎ではなく、単純性関節炎のみが手技療法やリハビリテーションが有効なのです。

当たり前のことですが、病気は代替医療で改善出来るわけがありません。

しかしながら症状を改善する効果はあるのです。

これは大規模なくじ引き試験による検査によって、プラセボ効果である事が判明しています。

またプラセボ効果は条件づけと期待値によって引き起こされることか確認されています。

これについては、有名なパブロフの犬の実験をご参照ください。

関節の硬直は手術以外では改善しません。

しかしながら、生活に支障をきたさない程度の拘縮であれば、手術を先延ばしにする程度の効果は十分にありますので意味があるケースもあります。

それは人工関節の耐用年数が最低20年、最大30年なので、出来れば60代で手術を受けることが望ましいという考えの患者さんが多いのです。

ところが人生は予想通りに行くとは限らないものです。

あくまでも生活に支障があれば、たとえもう一度手術を受けることになろうとも、それがベストの選択だと思われます。

学校教育と違い人生において直面する問題は答えがないケースが大半です。

自分の頭で考え、自分の言葉で話し、自分の意見を言う。

私は、関節ニュートラル整体の技術を教えることを通じて、このような真に教養のあるセラピストの育成を心がけています。