これからのセラピストは、手技療法とリハビリテーションの応用発展形をマスターしていることが必要不可欠です。
その理由は超高齢化社会に適応する必要があるからです。
具体的には手技療法とリハビリテーションの応用発展形を駆使して初めて65歳以上の高齢者に対応できるのです。
その中でも特に75歳以上の後期高齢者になるとさらに緻密な調整が必要になることは言うまでもありません。
これまでの手技療法やリハビリテーションは65歳以上の高齢者に十分対応できるものではありません。
その理由は「人生50年古希まれなり」という言葉が示すように、70歳に到達する人間はまれだったのです。
世界史を勉強すれば誰でもわかりますが、これまで世界の平均寿命は30歳でした。
ところが現代は72歳。
これをわが日本国に当てはめると男性の平均寿命が80歳を超えているのです。
私は20年前にこのような事態を考え、必要に迫られて関節ニュートラル整体というケアシステムを考案しました。
現在セミナーで公開しているレベル1の技術が開発当時のレベルです。
レベル2以降を学ぶことで過去と現在を比較し、日本と世界を比較することができるようになるのです。
20年の歳月をかけて進化発展した最新の関節の調整は、あえてセミナーを受講したセラピスト以外には公開していないのです。
それは技術を出し惜しみしているのではなく、本当に実力のある心、技、体が備わった人材の育成を目指しているからです。
さらに言うと、常に自分で考えることができるセラピストを育成したいというのがその大きな理由なのです。
閑話休題。
日本の歴史を振り返ると大正時代にカイロプラクティックが伝来したことがわかります。
私はその流れをくむ一人です。
インターン時代を含めて約20年間はモーションパルペーション&マニュピュレーション(動的触診法と手技療法)とアジャストメントの技術習得に本当に命がけで取り組みました。
全身には約206個の骨から構成される約200個の関節が存在します。
正常な人間は8方向に1ミリずれて復元する免震構造システムに勝るとも劣らない素晴らしい機能を備えています。
この機能の点検整備が関節ニュートラル整体のケアシステムなのです。
拘縮のひどい関節を改善するためには、手技療法とリハビリテーションを駆使する必要があるのです。
一つ一つの関節の遊びを点検整備する過程の中で、リハビリテーションを駆使する必要があるのです。
全身の関節の弾力の検査と調整に加え個々の関節のリハビリが必要なのです。
言い換えるとミクロの調整をすべてやったうえで、連動するリハビリテーション(マクロの調整)を行うべきなのです。
合成の誤謬という言葉があります。
ミクロの世界で正しいと思っていたことが、マクロの世界で見ると間違っているということは往々にして起こるのです。
常に第三者の目で物事をとらえることができる思慮深いセラピストを育成したいのです。
私がこの世を去った時に、私の考えと技術が後世に残ることを願っています。
関節ニュートラル整体の技術が確立された今、正しい貨幣観と正しい国家観を備えたセラピストの育成こそが私のこれからの仕事なのです。