おかげさまで今年も新潟県十日町の合宿セミナーを無事終了することができました。
今回の合宿は、日本大学レスリング部の強化合宿に仮屋先生と私がトレーナーとして帯同し、どのような仕事をしているかを協会員の先生方にお見せする目的がありました。
その理由は、関節ニュートラル整体がレスリングを通して必要に迫られて誕生したテクニックであることを協会員の皆様に肌で感じていただきたいからです。
残念ながら今年は、協会の副会長の村山先生が90歳を超えるご高齢のご両親の介護のため初日で帰られたために、私が日ごろ行っている準備(腰痛肩こりケア体操の最新バージョン)をまじかで見る人はいませんでした。
この二泊三日に発信した情報量は本当にとてつもないものです。
私を含めて15人全員が情報を共有すること自体無理なことは十分承知しています。
しかしながらお互いが助け合い、切磋琢磨しながら文字通り関節ニュートラル整体の全容を見ることは言葉に表すことができないような体験をしたことは間違いありません。
みなさんも何かを感じたと思います。
心理学でいう学習曲線のプラトーという言葉があります。
一つの技術を覚えるのに、最初は何とかできますが、やがて停滞期が訪れます。
それは本当にもどかしいものでしょう。
しかしながらそれにも負けずに努力していると、突然体得するという現象が起きるのです。
今回も熊本のT先生が体験したようです。
関節ニュートラル整体独自のリハビリテーションのテクニックにおいて静岡のA先生も目から鱗が落ちたようでした。
東京療術学院の授業で私の技術をまじかに見ている、N、Y、先生が本当に解っているかを翌日の授業で確認してみました。
案の定完璧には伝わっていませんでした。
それが,「間接手,両方,体重移動」という言葉です。
それを言い換えると「カルロスゴーン」または「男うめー」
「じゃいあーん」です。
ふざけているようですが、これがBPT(胸郭および脊椎椎間関節の調整)の極意です。
二人とも体得できたようです。
努力をあきらめない限り、突然体得できるようになるのです。
私もカイロプラクティックの最も優れたテクニックである、モーションパルペーション&マニュピュレーション(動的触診法と手技療法」を20年以上真剣に向き合っていました。
6年間の修行時代の後半の3年間はひと月の平均が200名を下ることはありませんでした。
関節のたわみを瞬時にとって、アジャストをするというテクニックにおいて他の追随を許さないレベルに到達していました。
文字通り、自分の手で家も土地も手に入れて小さな成功を手に入れても拭い去ることができないこの不安はいったい何なのだろう、という恐怖心にも似た感覚がありました。
朝から晩までボキボキ。
ある夜はカニの食べ放題でボキボキ。
自分の人生はこれでいいのだろうか?
そんな時に、家を建てて4年で放火による自宅の全焼火災を体験しました。
これは阪神淡路大震災の前年のことです。
このような体験を経て同様な経験をした人々の苦しみがわかるようになったのです。
この体験が人生を変えるきっかけになりました。
「すべての災難の原因は自分自身にある。したがって自分自身の心を変えなければ何事も始まらない」
という考えに至りました。
その後ひと月の返済額が43万にふくれ上がったのを何とか返済するべく,東京へ出稼ぎに行く必要性に迫られたのでした。
私の惨状をまじかに見て友人が助けてくれるというありがたい言葉をいただきました。
その後PNF整体を考案し全国に広まったように見えました。
ところが考案者の私のセミナーを受けたセラピストはほとんどいませんでした。
そんな時に日本大学レスリング部の監督(当時はコーチでした)の富山先生からの要請をいただきトレーナーに就任しました。
そこで激しい減量(体脂肪がないのでほとんどは水抜き)を強いられるレスリングの選手に対峙し,必要に迫られて誕生したのが関節ニュートラル整体なのです。
70,60,50という数字はそれぞれ,幼児,成人,高齢者の水分量を表す数字です。
減量中のレスリング選手をアジャストする事は,例えると水に浸したわかめではなく乾燥わかめを絞るようなものです。
たとえ19歳から22歳までの若者であっても脱水による厳しい減量が不可欠なレスリング選手の調整をしてみて本当に考えさせられました。
そこからわずか1年で現在の関節ニュートラル整体の手技療法のテクニックを完成させたのです。
今から20年前に65歳以上の人口が28パーセントを超える現代社会に十分に対応できる技術の根幹は誕生していたのでした。
この内容の一部を「知っておきたいスポーツマッサージ」ベースボールマガジン社刊にまとめました。
それを「関節ニュートラル整体」東京書店(のちにベースボールマガジン社から再出版)にまとめました。
ご存知のように関節ニュートラル整体の技術は進化発展し当時のテクニックの約5倍になりました。
現在在籍してセミナーに参加し続けている先生に聞いていただくとわかりますが、港区高輪(泉岳寺の財界2世学院が関節ニュートラル整体としてのスタートです)上肢、下肢の関節の調整をはじめ、仙腸関節,腰仙関節、脊椎椎間関節の調整は全く違ったものになったように精度が飛躍的に向上しています。
その後銀座,東京駅の八重洲とセミナー会場は移りましたが、当時に公開したレベルと現在のレベルは有効性と再現性において格段の飛躍を遂げたと確信しています。
ご存知のように現代社会はインターネットの普及で世界とつながっています。
したがって「比較,納得,購入」というプロセスを経て商品の購入をしているのです。
長年の苦心が実って間もなく関節ニュートラル整体独自のリハビリテーションマシーンの原型が完成しました。
これから特許出願ができ次第、大企業と共同で商品開発と販売をスタートする予定です。
まもなく出願ができ次第、大々的に告知がされるのです。
そこで家内制手工業ともいえる地道な関節ニュートラル整体のセラピストが日の目を見るときが来ると信じています。
そのためにも,いっさいに妥協を許さない技術レベルの向上を協会員の皆様にはお願いしたいのです。
手旗信号のような(赤挙げて、白挙げて)単純な動作をMRIを使用して脳の神経回路を見る検査が学会誌で公開されています。
驚くことにそれは次のような順番でした。
1、準備。
2、動作(手を上げよう)。
3、知覚する(手が動いた)。
4、指示。
しかも最初に起こる準備は平均すると動作の7秒前に起きるのです。
詳しくは、東京大学薬学部教授、池谷裕二氏著、「複雑な私、単純な脳」(講談社ブルーバックス)をご覧ください。
箸でご飯を食べる、自転車に乗る、歩く、水泳などの動作も覚えるまでは誰でも苦労するものです。
最初からできる人はいません。
しかしながらいったん覚えてしまうと何も考えずにその運動を再現してしまうのです。
関節ニュートラル整体のテクニック(手技療法,リハビリテーション、筋肉トレーニング)においても同様です。
初めて覚える事は誰でも大変に感じます。
しかしながら苦労していったん覚えてしまいさえすれば、いつでも無意識にできるようになるのです。
そのうえで何よりも大切な事は時代に合わせてテクニックを最新のレベルに進化させて使いやすく改良していくことなのです。
何とか関節ニュートラル整体を仕事にできるまでの苦しい期間を最短にできるよう、そして最小の費用で最大の効果をあげられるセラピストになれるように全力でサポートします。
楽しくなければ仕事にはできないのです。
また楽しく思える本でなければ読んでも血肉になることはありません。
朝から晩まで楽しいセミナーだからこそ長年継続していただいていると信じ、これからも奮闘努力する決意です。