カイロプラクティックの誕生は1895年。
その当時の世界の平均寿命は30歳。
死亡原因のほとんどが感染症でした。 1868年が明治元年ですから、当時の日本人が最も恐れていたのはコレラでした。
1905年にノーベル賞(生理学、医学賞)を受賞したコッホによるコレラ菌の発見によって世界の人間の不安が解消されたのです。
感染症は原因を解明し適切な治療を施すことによって完治するケースが大半です。
それに対し糖尿病などに代表される習慣病は予防することによって発症を遅らせることが大切なのです。
現代の栄養学は昨年から大きく変わりました。
あらゆる病気を予防するためには糖質を制限し、たんぱく質と脂質の制限は有害であることが証明されたのです。
詳しくは北里大学北里研究所院長補佐の山田悟先生の著書(糖質疲労、脂質起動など)を読まれることをお勧め。
患者さんだけではなくご家族の体を守るために知識をアップデートすることはセラピストの義務でもあるといえるでしょう。
ダブルブラインドチェック(二重盲検テスト)によるビックデータによる解析で、これまで真実と思われていた常識が覆される時代になったのです。
この傾向は米国主導のAIの開発で、今後短期間に加速されることでしょう。
閑話休題
皆さんは肩甲骨の動きの筋力テストをご存じでしょうか?
肩甲骨の筋力テストは次の5種類です。
1、挙上(C3,4)
2、下制及び内転(C,3,4)
3、内転(C,3,4,5,)
4、外転及び上方回旋(C,5,6,7,)
5、内転及び下方回旋(C,5)
この5種類の動きの筋力テストの筋肉の種類と神経支配を即座に答えることができないセラピストはいないはずです。
この筋力テストは静止性の筋収縮を用いています。
私が考案したPNF整体の概要をマスターしたセラピストであればあらゆるスポーツ選手に必要な肩甲骨の使い方を的確に指導できるはずです。
例えばベンチプレスの際の肩甲骨の動きは下制と内転が大切なのです。
右利きの選手は右の肩甲骨が挙上しやすいのです。
それは砲丸投げがやりやすいのが右であることからもわかるでしょう。
それと同時に右の肩甲骨は外転して上方回旋することはやりやすいことがわかります。
したがって内転して下制する必要がある正しいフォームのベンチプレスが必要なのです。
くれぐれも重さにこだわってはいけません。
下制と内転ができて初めて肩関節を痛めない安全なベンチプレスができるのです。
私がお勧めするのは体重の1・5倍以内のベンチプレスです。
もう一つ大切なことはできない動作の反対の運動をして初めて関節の拘縮が改善されるという事実を意識させることです。
私が考案した腰痛肩こりケア体操は、すべての運動に必要な体のためを作る体操です。
腰痛、背中の痛み、首の痛み、四肢の関節の痛みの重傷化を防ぐだけではなく、回復が可能な状態であるか否かを見極めるテストを兼ねているのです。
ベンチプレスは右上肢帯のためを作るのに役立ちますが、訓練としては左上肢の引いて押す、右上肢の推して引く意識が大切になります。
スクワットは踏切り足でない右足を鍛えるため、ベンチプレスは利き腕ではない左腕を鍛えるためであることも事実です。
しかしながら右の肩甲骨を下制して内転することができないために、体重の1・5倍のベンチプレスができないのです。
このように神経や筋肉で関節を動かすことに加え、重さをかけて初めて指導する関節のたわみや遊びを意識させることができるのです。
このように骨をずらす順番と区別が確立された全身の勘摂津の保守点検システムが「関節ニュートラル整体」なのです。
今回の深い話を聞いて皆様はいかか思われましたでしょうか?


