関節ニュートラル整体で用いる頚椎椎間関節の調整テクニックについて書いてみます。
初めに頚椎椎間関節は椎体が深皿のようにヘリがある構造(ボンルシュカ関節)がある事をイメージしてください。
このような構造上の理由で回旋は十分にできるのですが、側屈や前後屈に運動制限が起きやすいのです。
台風による被害が起きても、めったに折れることがない柳の木のような柔構造が備わっているのが正常な頚椎椎間関節なのです。
具体的には圧縮、けん引の弾力に加えて次のような関節の遊びが備わっていることが理想なのです。
頚椎の検査と調整は次のように行われます。
1、後方から前方への左回旋。
2、前方から後方への左回旋。
3、上記の左回旋の後にさらに加える前屈。
4、そこからさらに加える側屈。
5、上記の動きを総合した左斜め下へ側屈を行うことで頚椎の右側の椎間関節を開きます。
この動きは下位の頸椎を前方から後方への回旋を起こしたうえで行います。
同様な手順で右回旋を伴った5種類の調整を行い頚椎の右側の関節を開いて終了します。
このように対角らせん運動を分解して考えると、
1、後ろから前への回旋。
2、前から後ろの回旋。
3、前から後ろの回旋を伴った前屈。
4、前から後ろの回旋を伴った側屈。
5、この動きを総合した左斜め下への対角らせん運動
というように作業分解して保守点検作業を行うことが大切です。
この作業を左斜め下への回旋を伴った対角らせん運動を行い最後に右斜め下への回旋を伴った対角らせん運動を行うのです。
反対に右斜め上や左斜め上への回旋を伴った対角らせん運動が過剰になると、ケンプスサインといって上肢の痛みやしびれを伴った以上サインが出ることになるのです。
この検査と調整は胸椎、腰椎においても同様に検査と調整を行うことが大切です。
この操作に加え後方から前方への回旋を強調した左斜め下の対角らせん運動と右斜め下の対角らせん運動を行います。
そのうえで後方から前方への回旋を伴った左側屈と、後方から前方への回旋を伴った右側屈を行います。
このようにあらゆる方向の関節の弾力を検査して調整するケアシステムが関節ニュートラル整体なのです。
全身には約206個の骨から構成される約200個の関節が存在します。
正常な方は一つ一つの関節に8方向に1ミリずれて復元する関節の弾力が備わっているのです。
この弾力がある事で我々の関節は損傷する事はそれほど多くはないのです。
全身の関節を覆う膜の弾力の検査と調整をすることが痛みのない体を維持する秘訣なのです。
手足の関節の調整の後に脊椎椎間関節や仙腸関節を調整することが常識となってもらいたいものです。