全身には約206個の骨から構成される約200個の関節が存在します。

正常な状態に保たれた関節には、8方向に1ミリズレて復元する免震構造システムに勝るとも劣らない機能が備わっています。

この機能の保守点検システムが関節ニュートラル整体です。

私は26年前に関節ニュートラル整体を考案した後も、技術を極限までアップデートしてまいりました。

昨年はこれでもう完成形と思っていたら、頸椎椎間関節の調整において格段の進化発展がありました。

関節における8方向の遊びは厳密に分解すると次の18パターンになるのです。

1、後ろから前の左回旋

2、前から後ろの左回旋

3、後ろから前の右回旋

4、前から後ろの右回旋

5、後ろから前の左回旋を伴った前屈

6、前から後ろの左回旋を伴った前屈

7、後ろから前の右回旋を伴った前屈

8、前から後ろの右回旋を伴った前屈

9,後ろから前の左回旋を伴った後屈

10、前から後ろの左回旋を伴った後屈

11,後ろから前の右回旋を伴った後屈

12、前から後ろの右回旋を伴った後屈

13、後ろから前の回旋を伴った左側屈

14、前から後ろの回旋を伴った左側屈

15、後ろから前の回旋を伴った右側屈

16、前から後ろの回旋を伴った右側屈

17、圧縮

18、けん引

関節には次の3段階の動きがあります。

1、自動運動

2、たわみ運動

3、遊び運動

この中でたわみと遊びの運動を関節の弾力と区別しているのです。

関節の調整をペットボトルの開け閉めに例えて表現してみます。

ふたを開けようとする際には、当然ながらボトルを反対方向に動かしているのがわかります。

その際にふたを前から後ろに動かしているか、後ろから前に動かしているのかを意識する人はいません。

同じようにボトルを後ろから前に動かしているか、前から後ろに動かしているかを意識することはありません。

頸椎の調整においては技術を習得する際には、徹底的に意識して行うのがベストなのです。

それを繰り返して初めて、無意識にベストな動作が行えるようになるのです。

人体にある感覚器は次の3種類。

1,皮膚にある外受容性感覚器

2、内臓にある内受容性感覚器

3、関節にある固有受容性感覚器

この3種類のセンサー(感覚器)の保守点検が関節ニュートラル整体なのです。

このように関節の遊びが正常であるか否かは、適切な刺激量の負荷を与えて初めて異常がわかるものなのです。

文章で書くと非常にわかりにくいと思います。

それはほとんど感覚でしかわからない世界であるからにほかなりません。

しかしながら皆様の先輩の先生方は困難を極めながら技術をマスターしてきたのです。

精密な検査法と調整法をマスターすることで、これからの超高齢化社会を生き抜いていけるのです。

私は手技療法の検査と技術を常に30年先を見つめて進化させてきました。

残念ながらあまりセラピストに受けることはありませんでした。

しかしながら患者さんには絶大な信頼を得ていることは確かです。

若い皆様にはぜひ関節ニュートラル整体をマスターしていただきたいものです。