人体に存在する骨の数は約206個。

その骨から構成される関節の数は約200個になります。

約と書く理由は、ごくたまに腰椎の数が少ない方や多い方がいるからです。

同様に、癒合する前の仙骨や尾骨の数もすべての人間が同じではないのです。

クリッペルファイル症候群といって頸椎が癒合しているケースもあります。

このような理由で骨の数を約206個とか、関節の数を約200個と書いているのです。

ところで皆様の頭の形状は球体でしょうか?

比較的に整っている人間と、絶壁と表現されるように後頭骨が平らな方もおられます。

その反対にものすごく丸い方もおられます。

卵のような形状ではなく、まるでジャガイモのように凸凹している方が大半ですね。

骨盤の形状も同様なのです。

したがって正常に整えるといっても、何を基準に整えるんだろうという疑問が起きました。

今から46年前にセラピストになることを目指して、当時あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格の受験資格を得られて、脊椎矯正が学べる日本に一つしかない「長生学園」という専門学校に入学しました。

その学校では解剖学や生理学を中心にあらゆる基礎医学を学びました。

当時の整体やカイロプラクティックと、本来整っている骨格を矯正して元の状態に戻すという考えが一般的でした。

ところが実際に人体に触れてみると、ほとんどの人間の体は左右非対称で不揃いな骨格の人間が大多数を占めているのです。

その当時の学校には、レプリカではなく本物の全身の骨格模型がありました。

その骨を観察してみても左右の骨は不揃いなのです。

下肢長をそろえるとか、上肢長をそろえるといってももともとの長さが違う状態なのに何を基準に整えるといっているのかを私には理解できませんでした。

世界の人間の95パーセントは右利きです。

16億人いるイスラム教徒でも右手で食事をして左手でお尻をふくことが、感染症を予防するうえで厳密に守られているのです。

直接手づかみで食事をとることがない他の宗教でも左を不浄の手と定めているのです。

日本でも降格人事のことを左遷というのも同様な理念のためです。

ミトコンドリアのDNA解析によると、今から約20万年前にアフリカの東部で人類が誕生したことがわかっています。

それから約14万年はアフリカの地にとどまっていました。

ところが約6万年前にアフリカを飛び出しユーラシア大陸に移動しました。

そこからヨルダン渓谷にぶつかり西に移動したのがヨーロッパの人類の祖先、東に移動したのが

中国や日本などのアジアの人間の祖先だそうです。 

このように長い年月をかけて人類が移動した行動をグレートジャーニーと呼びます。

人類は必要があれば移動するし、動きやすければ移動するのです。

今から6万年前は海水面が現在と比較すると13メートルも低かったので、日本海は湖だったので歩いて移動できたのです。

4万年前に日本に渡って来た縄文人の祖先と同じDNA の人類が北米に到達したのが1万5千年前。

南米に到達したのが1万年前。

ハワイに到達したのが1000年前です。

現在では我々の祖先が黒人であったこともわかっています。

移動の過程で突然白人になったり、黄色人種になったりしたのです。

また砂漠で誕生した一神教であるユダヤ教やキリスト教、イスラム教も同じ神様です。

ヨーロッパは麦の文化であるのに対して中国はヒエの文化です。

たまたま麦の発見した人類は、麦を食べに集まった5大家畜(牛、馬、羊、ヤギ、ラクダ)を

飼う事を思いつき、農業から牧畜を発見しました。

このように世界史を俯瞰してみると、すべての出来事がたまたま起きたことがわかります。

シリア難民が世界中に移動しているのまさにそのような現象なのです。

温暖な日本に到達した人類は、すべてのものに感謝し八百万の神(多神教)が生まれました。

世界を見ても大陸と閉ざされた島は日本しかありません(イギリスのドーバー海峡と大陸との距離が30キロであるのに対し、対馬海峡は200キロも離れています。)

また日本以外の国は紛争死が多いことに対し、日本人は災害死が圧倒的に多いのです。

1953年にペリーが浦賀沖に来る前に、日本に自由に来ることは不可能でした。

私は60歳になってから歴史(世界史と日本史)を学びなおしました。

しかしながら政治を中心に書かれた歴史を学んでも、今一つ納得ができませんでした。

ところがごく最近に、道路の専門家である「大石久和先生と」河川の専門家である「武村公太郎先生」というお二人のインフラの専門家の本を読んで歴史の概要が腹落ちしました。

人類の歴史をエネルギーの観点から見ると、わが国では江戸時代までは木材でした。

やがて石炭の時代が300年続き石油の時代が100年続いて、ITの時代になりました。

私が世界最古の木造建築である法隆寺の3代目棟梁であった故西岡常一氏の本を見て、関節ニュートラル整体を考案したのも、いわば理の当然であるかもしれません。

地震や風水害や洪水など、自然災害が多い我が国日本。

それに対し、他の先進国の首都は有史以来一度も地震を経験していない国が大半です。

毎年発生する台風は、偏西風に流されてまるで日本を狙っているかのように曲がります。

日本以外の先進国がプレートの上に立っているのに対し、日本は4つのプレートの上にあるために巨大地震はどの場所でも起こるのです。

また岩盤の上にある他の先進国に対して、軟弱地盤の上に平野がある我が国は様々なインフラを建設するにも比較にならないほどのコストがかかるのです。

加えて日本は長さが2000キロで幅が250キロという細長い形状です。

ドイツやフランスやイギリスは球状です。

その上に中心に1000メートルから3000メートルの脊梁山脈があります。

そこを流れる河川は世界と比較にならないほど急流です。

このように考えると、わが国はどのようなコストがかかろうとも、常に保守点検を怠っては危険なのです。

太陽光発電や風力発電にいまだにこだわる旧民主党の菅直人。

ヨーロッパに台風が来ないことも、岩盤の上に立地しているためにコストがかからないことも知らないのでしょう。

ダムの建設に3回携わった経験がある武村公太郎氏が、現実的にみて我が国はダムをかさ上げして2倍の貯水量にすることで水力発電を増やすべきだと提言されています。

橋本政権以降の我が国はGDPが全く増えていないデフレの状態が継続しています。

こんな国は日本とリビアだけです。

現在私は東京療術学院と関節ニュートラル整体普及協会で講演を行っています。

その中で、自分の頭で考え、自分の言葉で話し、自分の意見を言う真の教養を備えたセラピストの育成をしています。

そのためには歴史と地理を学ぶことが必要不可欠です。

現在は比較、納得、購入の時代です。

私が敬愛するライフネット生命の創業者であり、IPA学長である出口治明先生の著作をほとんど読みました。

先生は常に縦、横、算数で考えろと書いています。

ところが頭が悪い私は、縦の比較(世界史)や横の比較(地理)が今一つ理解できませんでした。

そこで下(国土や地形)から見た視点を学ぶことでようやく理解できたのです。

竹村公太郎氏が51歳の時に、友人の協力で高低差だけの日本の模型を製作して、初めて真理に到達

したそうです。

私も不揃いな骨格を総もちで支えている人体の構造を俯瞰して関節ニュートラル整体を考案しました。

関節ニュートラル整体は約200個の関節を調整する順番が確立されています。

それと同時に、手足を様々に変化させて、1ミリ以下の動き(手技療法)と大きな動き(リハビリテーション)を駆使して人体を保守点検する技術も確立しています。

腰痛、背中の痛み、首の痛み、手足の関節の痛みの95パーセントは関節ニュートラル整体で改善できるケースが大半です。

筋膜の損傷は1週間。

筋肉の損傷は4週間。

下肢や上肢の痛みやしびれを伴う椎間板ヘルニアや狭窄症、脊椎分離すべり症は12週間。

このようにけがは時間の経過で改善します。

この期間が2倍かかる人は、成人病などでけがの回復が遅いだけです。

つまり回復期間の半分が経過していれば、適切なケアーを受けることで症状は改善するのです。

しかしながら根本の原因である関節の遊びは、偶然に回復することはありません。

平均寿命が江戸時代の3倍になる方が珍しくなくなった現在の日本。

60から90までの運動法やリハビリテーションやストレッチそして何よりも大切な手技療法は、こfれまでの方法では十分ではありません。

今まで信じていることを変えるのは不可能ではありませんがとても難しい。

これからの若い人に正しい国家観と正しい貨幣観を学んでいただき、それと同時に正しい手技療法とリハビリテーションをマスターしていただきたいものです。