仙腸関節は上半身と下半身を連結する靭帯結合の関節です。
左右にそれぞれ2個ずつ、合計で4個の関節です。
上半身の運動の軸は胸鎖関節です。
それに対し下半身の運動の軸は仙腸関節です。
運動の軸といっても、固定されているわけではなくあらゆる運動をすることで動きながら支えているのです。
関節の運動は8種類。
1、圧縮。
2、けん引。
3、前屈。
4、後屈。
5、左側屈。
6、右側屈。
7、左回旋。
8、右回旋。
以上です。
1、上部離開(けん引)
2、上前部離開
3、下前部部離開
4、上部圧縮
5、上前部圧縮
6、下前部圧縮
6種類のけん引と圧縮の後に4部位の関節の前屈と後屈の滑りをすることで仙腸関節の基本操作ができるのです。
その中で大切なことは、動きやすい方から動きにくい操作をすることです。
世界の95パーセントは右利きです。
したがって仙骨の滑り運動の操作は、基本的に右下肢を上げてから左下肢を上げる操作をすることが効率的です。
全身には約206個の骨から構成される約200個の関節が存在します。
正常な関節は、それぞれの関節に8方向に1ミリずれて復元する免震構造システムに勝るとも劣らない優れた機能が備わっています。
私が考案した関節ニュートラル整体は、この機能を回復する保守点検のケアシステムです。
関節ニュートラル整体には関節の操作と軟部組織の操作があります。
それぞれに他動運動と自動運動のケアシステムのマニュアルが確立されています。
基本としてはこのマニュアルに従って保守点検をすればよいのです。
45年の臨床経験から、関節を覆う膜の不具合が関節の痛みが複雑化する原因だと考えています。
したがって自覚症状が出る前に、検査して改善することか何よりも大切なのです。
痛みの段階を放置すると、やがて痛みを避けて関節が変形することになるのです。
運動には次の3段階があります。
1、自動運動
2、たわみ運動
3、遊び運動
このうちに真っ先に失われるのが2,3の運動なのです。
埋まり関節の運動に負荷をかけて痛みがあるか、もしくは硬いかを検査して調整することが大切なのです。
腰痛、下肢痛、下肢のしびれ、下肢の麻痺という順番を経て症状は複雑化します。
このように自覚症状が出る前に、関節の弾力は失われているのです。
関節ニュートラル整体の基本は、症状がどの関節であろうとも全身の関節のあらゆる方向の検査と調整をすることが基本です。
1、皮膚に存在する外受容性感覚器
2、関節に存在する固有受容性感覚器
3、内臓に存在する内受容性感覚器
これらの優れたセンサーの声を聴くことができて初めて一人前のセラピストといえるのです。