毎日の臨床で役に立つ手技療法とリハビリテーションとは具体的にどのようなものなのでしょうか。
関節の痛みの最も多い原因は関節被膜の不具合です。
関節被膜とは次のように大別できます。
1、皮膚および皮下組織。
2、筋膜。
3、筋肉や腱。
4、神経と血管。
5、靭帯。
6、軟骨や椎間板。
手技療法を用いる目的は、このような関節被膜のひっかっかり(拘縮)を改善することです。
あくまでも関節被膜が損傷したケースでは、時間の経過で改善することを忘れてはいけません。
関節被膜の損傷は次のように分類できます。
1,80パーセントが1週間で改善する、筋膜の損傷(ぎっくり腰や寝違えなど)。
2,80パーセントが4週間で改善する、座骨神経痛(抹消神経の損傷)や軽い肉離れなど。
3,80パーセントが12週間で改善する、腰椎椎間板ヘルニア、頚椎椎間板ヘルニア、腰椎分離すべり症、腰部脊柱管狭窄症、頸部脊柱管狭窄症等のように症状が下肢や上肢の痛みやしびれを伴う重症なケースがあります。
あくまでも損傷は時間の経過で改善するのです。
しかしながら損傷が起きた原因を改善するためには、手技療法とリハビリテーションを駆使することが欠かせません。
上記の関節を覆う膜の中で最も拘縮がひどい部位は、筋肉と骨をつなぐ腱です。
柔軟性が平均以下の方は、特に下半身の筋肉や腱の拘縮がひどいケースが大半です。
大きく分けて、前後((股関節の前屈と後屈)、横(股関節の外転と内転)、ひねり(股関節の外旋と内旋)のバランスが悪いのです。
股関節の前後の動き(屈曲は120度、伸展は15度)。
股関節の横の動き(外転は45度、内転は30度)。
股関節のひねりの動き(外旋と内旋はそれぞれ45度です)。
柔軟性が平均以下の方は、股関節の屈曲を膝を伸ばした状態で90度以上できない方が大半なのです。
簡単に言うと、両膝をぴったりと揃えた状態で前屈して拳骨が床につくテストができないのです(ハムストリングスの拘縮)。
つまり膝をどれくらい曲げたら床につくかで拘縮の程度がわかります。
これは私が考案し2020年1月9日に特許出願した健康器具を用いることで確実に改善できるのです。
もう一つの拘縮は足首の関節です。
足首の底屈は十分にできるのですが、背屈が20度できないタイプをアキレス腱機能不全と呼びます。
アキレス腱が硬い方は、足の裏を床にべったりと着けて、いわゆる和式トイレにしゃがむ動作ができないのです。
これはアキレス腱の拘縮と呼ばれています。
このように、太ももの裏や足首の筋肉や腱の拘縮がひどいタイプの方は、拘縮を改善する特殊なリハビリテーションの技術を駆使しない限り、いくら時間が経過しても柔軟性は改善しないのが現実です。
結論を言うと、これからのセラピストは、手技療法だけではなくリハビリテーションの技術も高いレベルを維持しなくては生き残りが難しいのです。
全身には約206個の骨から構成される約200個の関節が存在します。
その一つ一つの関節に8方向に1ミリずれて復元する免震構造システムに勝るとも劣らない素晴らしい機能が存在することを知る人はほとんどいません。
それは巨大地震の衝撃を10分の1以下に緩衝する免震構造システムに勝るとも劣らない素晴らしい機能なのです。
私が考案した関節ニュートラル整体はこの機能の点検整備です。
いわば人間の関節の修理のプロフェッショナルを育成し続けているのです。
関節ニュートラル整体は手技療法とリハビリテーションの応用発展形です。
これからの時代はマスターすることは大変なものの、同業他者や大企業がおいそれと参入できない技術をマスターしたセラピストのみが生き残れる厳しい社会です。
一方でそれだからこそ生涯リピートしていただける患者さんを獲得することができるのです。