関節ニュートラル整体は手技療法とリハビリテーションの応用発展形です。
関節の調整と筋肉の調整においても、それぞれに自動運動と他動運動があります。
関節の調整の目的は、関節を覆う膜(皮膚、神経、血管,筋膜、筋肉、靭帯、軟骨など)の不具合を整えることにあります。
そのさいに必要なテクニックは他動運動と自動運動なのです。
筋肉の他動運動を解りやすく言うと、経絡の調整と神経や血管の興奮を鎮める指圧療法のような手技です。
指圧療法との大きな違いは、母指球だけではなく指のあらゆる部位を用いるという点です。
セラピストは皮膚の上からしか、関節被膜をとらえることはできません。
したがって関節ニュートラル整体独自の手さばきをマスターすることが大切になります。
大多数の受講生から、この部分が最も難しいという感想を聞きます。
例えるとはじめて自転車に乗るようなものなのです。
何とか自転車に乗りたいという意志があればだれでも暇さえあればトライするはずです。
そしてトライ&エラーを繰り返しながらいつの間にかできるようになるのです。
この時に早くできるか時間がかかるかはあまり重要ではありません。
確実に言えることは一度できるようになると生涯できるようになるという事実です。
協会のデータを調べてみると、セミナーを受講するセラピストの90パーセントは受講する回数はひと月に1回です。
しかしながら確実に言えることは、次の機会までおそらく毎日のように練習していると想像できます。
大切なことは、トライ&エラーを繰り返しながらでも何とかできるようになればよいのです。
私が教える関節のつかみ方は、人間の手足の構造上最も負担や無理のないものです。
これを説明するとなると本当に多くの時間が必要になります。
セミナーの受講生は、鹿児島、熊本、金沢、新潟、神戸、岩手など遠方から参加しています。
私は、はるばる東京都文京区の東京ドームの前にあるセミナー会場まで来る受講生のことを考えると、何とかその日のうちにマスターした収穫を持ち帰っていただきたいと考えてしまいます。
したがってセミナーはより実践的にならざるを得ないのです。
実際の手技をお見せするケースもありますが、本当に手をかけているということがわかるようです。
そして患者さんの人数にかかわらず、一切の手抜きはしていないのです。
施術の前後のモーションペインのテストに始まり、伏臥位、側臥位、仰臥位の脊椎と手足の筋肉と関節の緩和操作を含めた検査と調整が終了した後のリハビリテーションに至るまでを20分以内でできるのが理想なのです。
私は、妥協するくらいならこの仕事はやめます。
わざわざ来ていただける患者さんに満足感を与えることはプロとして当たり前ことです。
そのうえで自分の心にうそをつかない仕事をすることです。
関節ニュートラル整体は患者さんの体が教えてくれた技術です。
D.カーネギーの名著である「人を動かす」にこのような言葉があります。
それは、「人を動かすということは、人の心を動かす事である」という文章です。
我々セラピストにおいても、骨を動かすだけではなく人の心を動かすことが何よりも大切なことなのです。
私はセミナーを通じて、ただ単に比類なき関節ニュートラル整体の技術を教えているのではありません。
もちろん優れた技術をマスターすることは基本中の基本です。
関節ニュートラル整体のベースは、モーションパルペーション&マニュピュレーション(動的触診法とアジャストメント)とPNFそして筋力トレーニングです。
現在の技術が完成する前の患者さん(20年以上前です)が最近になって来院していただきました。
もちろんその当時も現在も私の心は変わりません。
それは最終的に、何とかして患者さんに喜んでいただきたいという気持ちです。
この気持ちがあったからこそ、現在の関節ニュートラル整体の技術が完成したといえるのです。
これからのセラピストに必要なことは、とにかく深く考えるということなのです。
PDCAサイクルという手法がありますが、まず最初に腹落ちするまで考えるということな何よりも大切なことなのです。
考えて、考えて、考えて、、、。
現在でも夢に出てくるまで関節ニュートラル整体の事を考えているのです。