腰痛、背中の痛み、首の痛み、手足の関節の痛みなどに代表されるの関節の痛みで苦しむ患者さんは3000万人を超えました。

このように関節の痛みの患者さんが急激に増えたように見えるのは、65歳以上の人口が総人口の28パーセントを超えたからにほかなりません。

関節の痛みで苦しむ患者さんの95パーセントは適切なケアを受けることで改善可能なケースです。

一方で病気からくる関節の痛みも全体の5パーセントいるので注意が必要です。

したがってセラピストが対応するべきでない症例を十分に知り、そのうえで確実に改善できる症例の的確なケアーを学ぶ必要があるのです。

800万人いる団塊の世代(昭和22年、昭和23年、昭和24年生まれの世代)が全員75歳以上になったのが今年(2025年)です。

今年からマスコミが国民の不安をあおる報道が多くなるので注意が必要です。

 

国際統計によると変形性関節炎は45歳未満ではわずか2パーセントです。

ところが45歳以上になると、なんと15倍の30パーセントに激増するのです。

そして65歳以上になると63パーセント。

80歳以上では87パーセントになるのです。

そして変形性関節炎は女性が男性の3倍の確率です。

したがって45歳からの激増は閉経が関係していると想像できます。

このように若いうちは関節の変形はほぼ見られませんが、45歳以上になるとどなたでも発症することがわかります。

予防はできるのでしょうか?

残念ながら一度変形した関節は元に戻ることはありません。

しかしながら関節炎の発症や重症化を遅らせることは適切な対策をとる出来ますのでご安心ください。

大多数の関節の痛みは関節の変形自体とは無関係です。

その理由は、関節変形が全く改善されていないにもかかわらず関節の痛みが改善するケースが大半だからです。

正常な関節の動く範囲を知ることが何よりも大切です。

具体的に股関節の関節可動域を例に説明します。

股関節の屈曲は120度。

伸展は15度。

内転は30度。

外転は45度。

内旋と外旋はそれぞれ45度です。

関節可動域がこの数字のマイナス10パーセントであれば正常です。

したがってプラス10パーセントの関節可動域を保つ事が理想です。

関節可動域が悪くなるのは次のようなケースです。

1、外傷

2、炎症

3、悪性腫瘍

4、奇形

5、先天異常

軽傷であればまずかかりつけ医を受診し、そこで必要性が認められたケースが大病院に紹介状を書いてもらいましょうというのが政府の方針です。

ところが町医者であっても。全身の関節可動域の検査をするケースはほとんど稀なのです。

整形外科で初診の患者さんにかける時間が平均7分では全身の関節可動域の検査はとても無理です。

そのうえ再診の患者さんの診察時間が3分では、誤診率が7割というのも致し方ないのかもしれません。

初診の患者さんに30分の時間をとるのが義務化されると状況は大きく変わるでしょう。

おそらく医療崩壊を防ぐために、自己負担を全員が3割にして、

やがて国民皆保険と1961年(昭和36年)の5割負担になるかもしれません。

このような状況だからこそ、自由診療で仕事をしているセラピストの重要性が高まるのです。

基礎医学(解剖学、生理学、衛生学など)を学び、そのうえで基本に裏打ちされた説明ができるセラピストを目指したいものです。

私が考える理想のセラピストの施術は、量より質です。

少しづつですが、時代は大量生産大量消費ではなくなってきているのは確実です。

少ない人数であっても、患者さんが心から満足していただける医療サービスを目指すべきではないでしょうか?