セラピストが対応できる関節の痛みとそうでない関節の痛みがあることをご存じでしょうか?

今回は自由診療での臨床経験が47年になる私の知識と経験の中で皆様のお役に立てる内容について書いてみます。

関節の痛みの原因は大別すると次のようになります。

1、外傷

2、炎症

3、悪性腫瘍

4、奇形

5、先天性異常

ざっくり言うと全体の95パーセントはセラピストが対応可能なケースです。

残りの5パーセントは非常に難しい対応が必要不可欠になります。

当たり前のことですが意外と確認されていいないケースが多いので書いてみます。

80パーセントの方が回復までに要する時間について考えてみましょう。

1、回復までに7日を要するケース(いわゆるギックリ腰や寝違えと呼ばれる筋膜炎。)

2、回復までに28日を要するケース(筋肉に小さな穴が開いていてる、軽度の肉離れや坐骨神経痛。)

3、四肢の痛みやしびれを伴い回復までに84日を要するケース(椎間板ヘルニアや脊椎分離すべり 症や脊柱管狭窄症そして筋肉の断裂を伴う重症な肉離れなど。)

4、いわゆる五十肩と呼ばれる回復までに軽くて84日、普通で365日、重症だとその2倍の2年を要するケース。

重要な事なので改めて強調しておきます。

これらの損傷(ケガ)は時間の経過で改善するのです。

けがの回復を助ける上で適切な施術をすることが大切な事は重要です。

私は4のいわゆる五十肩のケースは山火事に例えて説明しています。

残念ながら、自衛隊の助けを借りたとしても山火事を消し止めることを早めることはできません。

ひと月ごとにだんだんと症状が悪化して、ざっくり言うと80パーセントの方が半年痛くて一年で完治するのです。

酷い事に急性期の症状に対して消炎鎮痛剤の服用や肩関節のブロック注射がほとんど効果がないのです。

医療法では、医療用麻薬はいわゆる五十肩(頚肩腕症候群)の適応でないために使用できないのです。

微量ながら麻薬が検出される漢方薬が効果がある事。

消炎鎮痛剤は症状がゼロからひどくなるケースの80パーセントに有効です。

それに対し痛みが継続して、温度が下がる夜間に痛みが増加する症状はがん患者さんの訴える痛みと酷似しているのです。

日本でも医療用麻薬(大麻から作成されたCBD)が解禁となりました。

しかしながら米国のように専門店ができてかつ国産品が販売されるには10年はかかるといわれています。

一日も早く実現することを希望します。

ともかく、いわゆる五十肩と呼ばれる症状で苦しむ患者さんの80パーセントは半年痛くて1年で完治するのです。

このような症状は他の関節にも起きます。

しかしながら命に係わる病気ではない研究はされていないのです。

骨が新しく入れ替わるのが2年。

軟部組織が入れ替わるのが3か月。

残念ながら、このサイクルを劇的に早めることはほとんどできないのが現状です。

セラピストの仕事の重要な部分は関節被膜の弾力の検査と適切な運動療法です。

背中の関節を例に説明すると関節被膜は次の6層です。

1、皮膚及び皮下組織

2、筋膜

3、活動筋と支持筋

4、血管と神経

5、靭帯

6、椎間板と関節軟骨

この中のどの関節被膜に回復を妨げている原因があるかを正確にあぶりだす保守点検システムが確立されています。

それが「関節ニュートラル整体」です。

関節ニュートラル整体は手技療法とリハビリテーションと筋力トレーニングから構成されていいます。

セラピストにとって大切なことは、現代医学でも改善不可能な病気について最新の知識を得ることです。

これについては本から学ぶのが最も費用対効果が良いのです。

本を読むのが苦手の方は、現代国語のカリスマである「出口汪」先生の社会人向けの本を読む事で苦手意識が解消されます。

何事もうまい話はありません。

あるとしたらそれは詐欺かペテンでしょう。

皆様の貴重な時間を無駄な努力で台無しにしないために私はこれからも啓蒙活動を継続するつもりです。