関節ニュートラル整体と既存の手技療法を比較してみます。

いちばんの違いは、関節を操作する順番が確立されているかいないかです。

進む方向がわからないような真っ暗闇の山中であなたが道に迷ったことを想像してみてください。

そこに最新の機能を備えたカーナビゲーションシステムがあるかないか。

関節ニュートラル整体のケアシステムは、進むべき最善の方向を示すナビゲーションシステムが備わっているので安心安全が従来の手技療法とは比較にならないのです。

全身には約206個の骨から構成される約200個の関節が存在します。

その一つ一つにある8方向の関節の遊びの保守点検システムを確立した技術が関節ニュートラル整体です。

関節ニュートラル整体は手技の基本テクニックだけで4000パターンあります。

そこにリハビリテーションが加わります。

全体を俯瞰してみると難しいと思われるでしょうが,実はこの技術を使用することで毎日の臨床がとても楽になるのです。

あなたが関節ニュートラル整体をマスターするために、ひと月に1回のレクチャーを受けたとしましょう。

全ての講義を終了するのに4年ほどかかることになるので、メンタルを維持するのが大変です。

毎日のように講義を受け練習すれば3か月で終了することができますのでモチベーションは継続できるかもしれません。

しかしながら現実には無理なので週に2回の講義、つまりひと月に8回受講したとします。

そうすると40回の講義をたとえ少し休んだとしても半年で1クール終了することができます。

それと並行して血沸き肉躍るような内容の解剖学や生理学をはじめセラピストに必要不可欠な知識の講義を受けることが理想です。

現在ではこれはオンラインで可能になりました。

どうしても実技の習得においては人間対人間の指導が必要です。

閑話休題。

Jリーグが誕生して30年になります。

その当時はヨーロッパで活躍する日本人は皆無でした。

ところが現在では何にものサッカー選手が欧州にわたり活躍しています。

誤解を恐れずに言うと、Jリーグが誕生する以前の日本のサッカーはまるで百姓一揆のような戦いでした。

ところが今の日本代表のサッカーはまるで違いますね。

それを可能にしているのは欧州からコーチを読んで幼児期に基本を徹底的に指導したからです。

それだけではなく指導法を学び、指導者の資格制度も構築したのです。

先人の努力のおかげで、現在では4000種類のサッカーの基本テクニックを10歳までにマスターすることはだれにでもできるようになったのです。

勿論そのうえで世界で活躍できる選手となると一握りです。

しかしながらもし日本が自分の国の中だけでやっていたのでは、ワールドカップに出ることすらできなかったことでしょう。

このように考えるとなんか似たような経験があったと思いませんか?

そうです、明治維新と同じなのです。

私は歴史の勉強を明治維新からやり直す必要を感じて知識をアップデートしました。

その気があればだれでも学ぶことができる時代ですので、協会員の皆様には様々な本や動画をご紹介しています。

良いことも悪い事も含めて真実(アメリカでは戦後70年を経過して情報公開されています)を学ぶことが大切です。

そうすることで初めて日本人の誇りを取り戻すことができるのです。

私が関節ニュートラル整体を考案したのは今から30年ほど前です。

その当時出版した専門書(エンタプライズ社)がレベル1の教科書です。

そこから関節の調整(手技療法)とリハビリテーションの技術を進化発展させたものが現在のレベル2,3(臨床編),4(個人指導)となっているのです。

そこで頸椎椎間関節の調整に特化して具体的に書いてみることにします。

そのうえで御自身が他の手技療法やリハビリテーションの技術と比較することをお勧めします。

頸椎の調整は次の2パターンに集約されます。

1,下部の椎骨上で上部の椎骨を動かす。

2,上部の椎骨の下で下部の椎骨を動かす。

つまり下の椎骨を前方から後方に回旋した状態で上の椎骨を後方から前方に回旋するか、または前方から後方に回旋するという調整があります。

その状態で回旋の遊びをとった状態での前屈そして側屈を行います。

この操作で下部頸椎上での上部の頸椎の対角らせん運動が完了するのです。

この操作は裏技があります。

つまり上部頸椎上での下部頸椎の操作です。

それは動かす順番が逆転するというものです。

少し難しいと思われかもしれませんが、ご安心ください。

関節の引っ掛かりが起きる箇所にはパターンがあるのです。

関節ニュートラル整体は動かす際に強弱を加えるべき個所と、捜査の順番が確立されているのです。

関節の操作は8方向です。

それは例えるとミクロの操作です。

そのうえでマクロの操作(リハビリテーション)を行えばより効果的なのです。

運動は、自動運動に加え、たわみ運動と遊び運動があります。

この3段階の調整システムが確立されていますので、パターンを覚えてしまえばどなたでもできるのです。

しかもパワーやスピードに一切頼ることがないので年齢や性別、そして運動能力も必要としません。

やる気と根気を継続できさえすればほとんどの方がマスターできるのです。

閑話休題

最初に関節ニュートラル整体を理解するうえで必要な知識について簡単にご説明させていただきます。

まず最初に様々な本を簡単に読み解くテクニックとして、論理のカリスマと呼ばれる出口汪先生の著作を7冊読むことをお勧めします。

次に必要なことは東京大学薬学部教授の池谷裕二先生の著作を7冊読むことです。

池谷先生の本のおかげで世界の脳科学者が行ってきた実験を一般人が知ることができるのでとても勉強になるのです。

そして自分自身がわかりやすいと思う解剖学の本(全部わかる筋肉のしくみ事典シリーズなど)を読むべきです。

一流のセラピストを目指すなら毎日1時間の読書の習慣を持つ事をお勧めします。

その中で現在65歳の私が心がけているのは読まない本を決めるという事です。

自分が読んで心が躍るような感動が得られない本は、読まない事に決めているのです。

60歳を過ぎてから、経済や国土学や世界史の勉強をしました。

過去と現在を比較したり、日本と日本以外の国を比較することで初めて日本のことが理解できたとつくづく感じました。

私が修行を開始した46年前は、一切本も読まず、テレビや新聞も見ないでただひたすら修行に励むことがベストであると思っていました。

ところが現在の私は、インターネットやユーチューブを活用し情報を得ています。

頭でっかちになって練習をしないのでは本末転倒ですが、現代では私が修行した当時の丁稚小僧のようなことはできません。

思えばずいぶんと遠回りしてきたとつくづく思います。

自分がやってきた遠回りや無駄なことを皆様には経験してもらいたくないと思います。

次の時代を担う人材の育成こそがこれからの私に残された使命であると考えています。

寺子屋でもいいから、関節ニュートラル整体を毎日学べる場所を作りたいと願っています。