関節の痛みを確実に改善できるセラピストを目指すなら、関節ニュートラル整体を学ぶべきです。
昨日行われたセミナー(レベル2)の内容をご紹介します。
6月12に行われたセミナーのテーマは脊椎椎間関節の調整(BPT)でした。
約4000種類ある関節ニュートラル整体の基本と応用パターンの中で、最も効果的で重要な部位である脊椎椎間関節の調整を深く深く講義したのです。
その中で2名の高弟に直接指導を行いましたが、頚椎椎間関節の調整の4工程を理解することの難しさを私自身改めて痛感しました。
腰痛、背中の痛み、首の痛み、四肢の関節の痛み(肩、ひじ、手首、股、ひざ、足関節の痛みの総称です)を調整するうえで最も大切なことは、症状が現れている関節だけではなく、全身の関節を検査して調整することです。
全身には約206個の骨から構成される約200個の関節が存在します。
正常であれば8方向に1ミリずれて復元する、巨大地震の衝撃を10分の1以下に緩衝する事ができる機能が備わっていることをご存知でしょうか?
この機能は、皮膚に存在する外受容性感覚器。
関節に存在する固有受容性感覚器。
内臓に存在する内受容性感覚器を整えることで初めて発揮されるものです。
関節ニュートラル整体には、軟部組織の調整と関節の調整があります。
簡単に言うと、皮膚や筋膜、筋肉、腱などの軟部組織の自動運動と他動運動。
関節を調整することで初めて反応する靭帯や関節包などの自動運動と他動運動の検査と調整の手順をマスターする必要があるのです。
関節ニュートラル整体において、上肢の関節、下肢の関節を整えてから、体幹の関節(肋骨や胸骨など)を整え、脊椎椎間間の調整を行い、最後に仙腸関節あるいは腰仙関節を整えて終了します。
その過程で、関節の拘縮のひどいケースでは順次コントラクトリラックスやバリスティックストレッチ、スタティックストレッチのテクニックを駆使して拘縮を改善していきます。
四肢の関節の拘縮が改善されると、椎間関節が一層硬くなります。
その状態で初めて椎間関節を整えるにが最も効果があるのです。
そして最後に背骨と下肢を連結する機能を持った骨盤の関節(仙腸関節または腰仙関節)を整えるのです。
最後の最後の仕上げは皮膚や筋膜の調整です。
この順番を守ることは、何よりも患者さんの健康を考えるうえで大切なのです。
平均寿命が江戸時代の3倍になった現在の超高齢化社会。
私が治療家を目指した44年前は、65歳以上がわずか7パーセントでした。
ところが現在では28パーセントを超えているのです。
はっきりといえることは、セラピストの大多数がこの現実に気づいていないのです。
その理由はあまりにも情報が多すぎることで、かえって迷う事になっているのかもしれません。
私は自分の直弟子たちに、様々な本を読むことを進めています。
セラピストに必要不可欠な教養を身に着けるためにも、最も費用対効果があるのは読書なのです。
最も私は、古典は読みましたが、現代小説やライトノベルのたぐいは一切読みません。
その一方で、正しい国家観や正しい貨幣観を身に着けるうえで必要不可欠な本はできるだけ吟味して読んでいます。
また本を読むうえで大切な論理力も学びました。
このように不断の努力を継続することで、ほとんどの人間を前にしても格段に引けをとるという事がなくなりました。
読書をするうえで効率の良い順番があります。
一例を挙げると「宗教と哲学全史」出口治明著を読む前に、海馬の研究で有名な脳科学者で、東京大学薬学部教授でもある池谷裕二先生の著作を読むことです。
最も私自身、現在のように様々なジャンルの本を読むようになったのは、この10数年ぐらい前からかもしれません。
確実に言えることは、もし私が知識が先行する生き方をしていたら関節ニュートラル整体の誕生はなかったことです。
考えてみれば、気の遠くなるような回り道があってはじめて緻密で安全確実な技術が誕生したのです。
幸か不幸か、あらゆることを否定はしないが疑問を持つという性格が手助けになった事は確実です。