肩関節複合体とは、肩甲上腕関節,肩甲胸郭関節,肩鎖関節,胸鎖関節のことです。
先日20年ぶりに来院された患者さんについて書いてみます。
脚立から落ちて右肩関節の靭帯を断裂してあらゆる方向にほとんど動かすことができない状態で来院されました。
茨城県のかすみがうら市在住の農家の男性(67歳)でした。
8月2日に受傷して本日で2回目の施術でした。
電話を受けた時にお話の状況から判断して,千葉県の馬橋にある松戸整形外科クリニックに行くのがベストであると判断してご紹介しました。
CTの検査で肩関節の靱帯断裂と診断され手術を勧められたそうです。
ご本人は稲刈りが控えているので何とかならないかと及川治療院を思い出したとのことでした。
一回目の調整で肩関節の屈曲がほとんどできなかった状態から,40度できるようになりました。
そこで連続して2回目の関節ニュートラル整体を受けました。
本日は80度屈曲できるまでに改善しました。
関節ニュートラル整体はかならず全身の関節の調整を行うのが基本です。
例えば僧帽筋は上部繊維は肩甲骨と頭から頚椎に付着しています。
中部繊維は肩甲骨と胸椎中部に付着しています。
同様に下部繊維は肩甲骨から腰椎や骨盤に付着しています。
したがってこと患者さんの様に肩関節複合体の動きに異常があれば、頭頚部や胸椎,腰椎骨盤の検査と調生をは必要不可欠なのは言うまでもありません。
全身には206個の骨からなる200の関節が存在します。
正常であれば、それぞれの関節に8方向に1ミリずれて復元する免震構造システムの様な機能があるのです。
この機能があることで、巨大地震の衝撃を10分の1以下に緩衝することができるのです。
ご存知のように一度断裂した靭帯は手術以外では復元しません。
しかしながら、脱臼を繰り返したり、日常生活に支障がない限り一般人の手術は避けたいものです。
そこで20年前にカイロプラクティックの最も有効的なテクニックであるモーションパルペーション&マニュピュレーション(動的触診法とアジャストメント)を及川治療院で受けてひどい腰痛(腰椎椎間板ヘルニアと診断されていました)と下肢痛が改善したことを思い出したそうです。
久しぶりに矯正を受けて驚いたことが、関節ニュートラル整体のアジャストメントがあまりにも弱いということでした。
例えるとセミの抜け殻が押しても壊れない程度の力での矯正なのです。
股関節,ひざ関節,足関節の矯正の後に,肩関節複合体の3点締めテクニックという特殊な矯正を行いました。
そのあとに痛めた肩関節を上にしての側臥位での脊柱と仙腸関節の矯正を行いました。
そして伏臥位と座位での脊椎と腰仙関節の矯正を行い,最後に立位と仰臥位での仙腸関節の矯正です。
最後にPNF整体によるゆがみを整えることと筋出力を正常にすることを目的としたリハビリテーションを行いました。
関節ニュートラル整体の効果を持続させるための腰痛肩こりケア体操の特殊パターンも4種類しっかり指導しました。
このような患者さんにしっかり対応できたことをうれしく思います。
そして、20年前に関節ニュートラル整体を考案していなかったことを考えるとぞっとします。
この実例を今度のセミナーで余すことなく伝授します。
セミナーで最新のテクニックを見ている人と過去に関節ニュートラル整体を学んだ人に言います。
「シーじゃないのウオッチ」
わかるかな?
わかんねーだろうなー?
なんのこっちゃ?