東京整体 学校

今回は関節ニュートラル整体について書いてみます。

関節ニュートラル整体の目的は関節を覆う膜の機能を正常にすることです。

具体的にご説明いたします。

関節を覆う膜とは次の6種類に大別できます。

1、皮膚および皮下組織。

2、筋膜。

3、筋肉(活動筋と支持筋)。

4、椎間板や軟骨。

5、靭帯。

6、神経や血管。

などです。

手技療法ではこれらの組織を皮膚の上から刺激することで、体に備わった復元力を促しているのです。

言い換えると。

1、外受容性感覚器(皮膚に存在する)

2、固有受容性感覚器(関節や筋肉に存在する)。

3、内受容性感覚器(内臓に存在する)。

これらの感覚器を刺激して復元力を最大限にひきだすことが大切なのです。

私が考案した関節ニュートラル整体は3本の柱から構成されています。

1、カイロプラクティックの最も効果的な手技の一つである、モーションパルペーション&マニュピュレーション(動的触診法と手技療法)。

2、理学療法の究極の技術であるPNF(固有受容性神経筋促通手技)。

3、骨格のゆがみを整えることを目的とした筋力トレーニングの応用発展形。

以上です。

これらの技術の応用発展形が関節ニュートラル整体なのです。

具体的に言うと検査と調整が一体となった技術で調整の刺激量は、まさに蚊に刺されてもわからないくらいのものです。

それは段階的な収縮弛緩を用いたテクニック(PNFのテクニックである、コントラクトリラックスやホールドリラックスの応用発展形)と、モーションパルペーション&マニュピュレーション(以下MPと省略)のエンドフィール(関節のたわみを取り除いた遊びの感覚)の応用発展形と定義することができます。

関節ニュートラル整体の技術をマスターするためには、関節をとらえる約4000種類の組手を学ばなくてはなりません。

そして基本的には世界の95パーセントが右利きですので右利きのパターンをマスターし次に左利きのパターンを覚えることが大切です。

現在では技術をマスターするための練習ドリルが開発されていますので安心です。

年齢性別に関係なくやる気があればだれでもマスターすることは可能です。

大切なことはセラピストとしての現役を継続する限り、技術レベルを常にアップデートさせることです。

(新型コロナウイルスのパンデミックが収束するまで、協会の会員向けにリモートセミナーをご提供したいと考えています。)

技術をマスターするうえで、最も大切なことは常に基本に忠実であることです。

しかしながらほとんどすべてのセラピストが、患者さんの立場ではなく自分のご都合主義に陥ってしまう欠点が出てしまうのです。

緩和操作でも、関節の調整でもすべてのテクニックにおいて相手の呼吸をとらえることが何よりも大切です。

私は関節ニュートラル整体の技術を考案する前に、長年アジャストメント(インパルス、リコイル、ボデイドロップ)を仕事にしていたので呼吸法を無意識にマスターしていました。

先日今年で8年目になる方に個人指導をしていてそのことをおしえたら、本当に喜んでくれました。

その際につくづく感じ反省させられたことは、自分の指導が極めて基本的ながら需要なことを繰り返し伝えていないという点でした。

正直、まさに人をしながら改めて自分の足りなさを考えさせられたということです。

私の欠点は「話がコロコロと飛躍する」「基本的には論理的に説明していますが、すぐにそうでなくなる」ことです。

現在では随分ましになったと思っていたら、ある時娘に「ますますひどくなった」と指摘されて愕然としました。

仕事やセミナーにおいてはかなり気を付けていますのでご安心ください。(どうやら仕事以外では論理的に話していないようです)

閑話休題。

現在でも独立開業しないで私のそばにいる浅野先生にはいちいち基本的なことを教えています。

私の治療室にはパワーラックやバーベル、ダンベル、ダート、アブベンチ、逆さ刷りのフックなどがそろっています。

現在も胸、二頭筋、肩、三頭筋、広背筋、下肢のトレーニングなどの際に決まったルーティーンの元ですべて手際よく動くようにいちいち指示しています。

ちなみに私のトレーニング時間は25分程度です。

理由があって、うちで40年近く働いている浅野先生以外のセラピストには、一から十まで指導することはしません。

最近個人指導をするようになって、改めて思ったことが在ります。

それは普通の人間ならば誰でもできるはずだなどという思い込みは捨てて、本当に重要なことは繰り返し教えることが大切だということです。

関節ニュートラル整体の技術をマスターするうえでとても大切なことが在ります。 それは、

1、押すときは引く。

2、引くときは押す。

3、小さい動きは大きくとらえる、ということです。

常に反対の動作や考えを意識することで、応用の利くセラピストを育成したいと考えています。