関節ニュートラル整体は手技療法とリハビリテーションの応用発展形です。
関節の痛みのケアーにおいて、数多くの代替医療の中でも最も社会的に認知度が高いのはカイロプラクティックです。
北米を中心に16の専門大学があるのです。
その中でもパーマー大学とナショナル大学という2種類の派閥があります。
ナショナル大学で教育されていることは正規の医師に近いことなのです。
私がカイロプラクティックを学んだのは今から43年前のことです。
6年のインターン時代に学んだ技術がモーションパルペーション&マニュプレーション(動的触診方と手技療法)でした。
5年間のインターン生活を終了したご褒美にナショナル大学での解剖実習を中心とした研修旅行に参加させていただきました。
その時に知り合ったのが故安藤DCと山根DCでした。
偶然にも同じ年(同学年)だったせいか、たちまち意気投合し安藤DCの自宅に招待されました。
(帰国後お二人ともに,私が開業した茨城県牛久市でセミナーをお願いしたこともありました。)
その際に私が披露したモーションパルペーション&マニュピュレーションを実際に体験したお二人の驚きようは今でも鮮明に覚えています。
特に山根DCは、ドクタージョンフェイの主催する最新の技術と理論をマスターしていたので私のテクニックと比較して納得していたようでした。
私が最新のテクニックをマスターしていた理由は、わたしを指導してくださった先生がモーションパルペーション&マニュピュレーション(以下MPと略します)をベルギーのドクタージレーから習っていたのです(おそらく日本で講演したと思われます)。
その技術を苦労の末自分流に進化発展していたのだと思われます。
普通であれば最新かつ最先端のテクニックを学んだDCと比較して勝るとも劣らないレベルを確認できて,有頂天になるのでしょうが、私は正直絶望しました。
その理由は、私自身の体が当時最先端のテクニックを受けても回復しなかったことによります。
MPの技術は痛みには効果があるが私のようにしびれに苦しむ症例にはほとんど効果がないのです。
私は自分の知識と技術のレベルが完膚なきまで打ちのめされることをひそかに期待していたのです。
その後2回解剖実習を目的とした米国研修旅行に出かけました。
その目的は自分の間違いを打ちのめすような技術や知識を求めてのものでした。
チェスタードロップというテクニックを下部腰椎にまで用いる特殊なテクニックを考案した故亀田先生の指導を仰ぎ、やがて師を超えるまでのレベルに到達しました。
しかしながら私の長年の悩みだった,1年のうち2回程2週間寝込むようになる症状が改善することはありませんでした。
この症状は3歳の時に遭遇したバイク事故による頭がい骨骨折と16歳の時に柔道の試合で起きた頸椎と腰椎の圧迫骨折の1年後から発症したものです。
結論を言いますとその症状は40歳まで続きましたが、もうすぐ62歳になる現在まで再発はありません。
長年の間私は誰かがこの苦しみを救ってくれるだろうと自分の外に救いを求めてきました。
宗教や気学も学びましたが改善することはありませんでした。
しかしながら答えは自分で考えることで見つけることができたのです。
どれほど本を読んでも、人の話を聞いても自分で考えているのではないのです。
考えて、考えて、考えて、、、、。
まさに寝ても覚めてもかんがえました。
そこで誕生したテクニックが,「関節ニュートラル整体」なのです。
もちろん関節ニュートラル整体は万能ではありません。
しかしながら、回復が可能でありながらそれができないでいる患者さんを救うことができるのです。
手技療法とリハビリテーションと筋力トレーニングの集大成である関節ニュートラル整体を学んでください。
この技術をマスターしたセラピストがケアーして改善しないケースは専門医(外科医や内科医や精神科医など)に紹介するべきです。
閑話休題。
LTP(LONGー TERM POTENTIATION,長期増強)という言葉をご存知でしょうか?
これは神経細胞を繰り返して刺激することで生じる現象です。
興味があって(シーター波が出ている状態)わくわくする(偏桃体が活動状態になる)状態になるとLTP(長期増強)が出現しやすくなるのです。
言い換えると「好きこそものの上手なれ」と言ったような格言は脳科学の上でも正しいということになるのです。
私はセラピストに必要な教養として世界史を学ぶことを勧めています。
そのためにどのような本から始めたら良いかという質問を受けることがあります。
答えは簡単です。
自分自身興味がある分野の歴史を学べばいいのです。
トレーニングに興味があれば、トレーニングマシーンの歴史を調べてみるといいでしょう。
あるいは鍼灸に興味があれば鍼灸の歴史を調べてみることです。
その中で歴史は一つだという真実にたどり着くはずです。
未来を予測することは不可能です。
しかしながら過去を振り返ることで人間の陥りやすい傾向に気づくことはできます。
そのためにも,人類5000年史(筑摩書房,出口治明著)を読むことをお勧めします。
出口氏が言うように「風呂,飯,寝る」から「人、本、旅」にシフトして勉強し続けるほかに我々の未来はないのです。
前職に様々な経歴のある先輩たちと一緒に関節ニュートラル整体を学びましょう!