人体には206個の骨から構成される約200個の関節が存在します。

関節の分類は一軸性、二軸性、多軸性という分類があります。

したがって230個から360個という風に分類の基準によって数が違うのです。

そこで約200個としているのです。

また骨の数も、幼児では数が多く成人になると少なくなるのです。

具体的には、幼児期に仙骨は5個に分かれています。

同様に尾骨も幼児期には3から5個に分かれていますが、成人では癒合して一つの骨になるのです。

頭蓋骨も幼児期には15種23個の骨に分かれていますが成人は一つの骨に癒合します。

これが骨の数が年齢によって異なる大きな理由です。

また通常では腰椎は5個ですが、6個の人も4個の人もいるのです。

したがって平均すると骨の数は約206個、関節の数は約200個という表記になっているというわけです。

関節の可動域も左右が対称な方はごくまれなのです。

あくまでも便宜上左右対称であるとしているだけなのです。

このようなことを踏まえて骨格のゆがみを考えてみましょう。

人類の歴史を振り返ってみると、感染症と戦ってきたことが理解できます。

したがって食事をする手は右手、お尻を拭く手は左手と分けることで感染することを防いでいたのです。

右利きの人間が世界の95パーセントであるという事実はこのような要素があるのです。

二足歩行をしている我々人類は、右利きであるために、足も右利きになっているのです。

砂場に絵をかきやすいのは右足、支えるのは左足なのです。

したがって体のゆがみとは、過剰に左足荷重になる状態なのです。

1928年に開発されたラジオ体操の動作を考えてみても、ゆがんだ方向に体を曲げてから(左荷重)ゆがみを整える方向(右荷重)に体を曲げていることがわかります。

前後に体重移動するボールを投げる動作で考えてみると、右から左足に体重移動していることがわかります。

横(左右側屈)に体重移動する砲丸投げの動作も右から左に大樹を移動しています。

テニスのフォアハンドを考えると右から左に体重移動して体を回旋していることがわかります。

前後屈、左右即屈、左右回旋の運動を体重の移動で考えると、曲げにくいのは右荷重、曲げやすいのは左荷重であることがわかります。

言い換えると人体のゆがみも左荷重の方向に歪みやすく、右荷重の方向には歪みにくいということがわかります。

関節ニュートラル整体は手技療法(他動運動)とリハビリテーション(自動運動)から構成されています。

そして体重の移動で考えると、曲がりやすい左荷重の方向に曲げてから、元の状態に復元する力を促します。

次に曲げにくい右荷重の方向に曲げてから復元力を促すという運動を他動運動(手技療法)で弾力を回復させてから、自動運動(リハビリテーション)で脳の記憶を呼び覚ましているのです。

このように複雑な問題は分けて考えることで単純化できるのです。

重症な慢性痛患者さんは、関節を覆う膜がこんがらがってしまった状態になってしまいます。

それを正しい状態に導くということは、まさに脳の記憶を呼び覚ますことに他ならないと考えています。

長年酷使している右手と右足は少しずつ曲がってしまいます。

したがって左右の手足の長さを整えることはできないことがわかります。

また卵のように丸い頭蓋骨の持ち主がいないように、整った骨盤(仙腸関節))は非常にまれなのです。

それでは曲がった状態の骨や関節でできた人体の軸の中心はどこにあるのでしょうか?

それは曲がりやすい方向に曲げてから元に戻し、曲げにくい方向に曲げてから元に戻ることで得られるのです。

関節ニュートラル整体は形状を整えることにとらわれることなく、あくまでも関節を覆う膜を正常に整えているのです。

つまり機能を回復させているのです。

手技療法の運動範囲は最大で官製はがきの厚みの範囲(0.45ミリ)です。

その範囲で関節を運動することで関節を緩めたり、引き締めたりしているのです。

リハビリテーションも可動範囲を徐々に広げることで、かえって関節被膜を引き締めることを狙っているのです。

私は、自分の頭で考え、自分の言葉で話し、自分の意見を言うことができる真の教養を身に着けたセラピストを育成し、世に送りたいと思います。

関節ニュートラル整体をマスターして、あなたしかできない技術を生涯の仕事にしましょう!